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2009年08月17日

富士山登頂

これは家族5人(私と妻、22と14の息子、20の娘)で富士山登頂に
挑んだ時の試練の記録である。

最初の試練
今月の10日に富士山登山の予定が、前日に日本の南海上で台風が発生し
中止となる。(ホテルにて足止め)

翌11日に再びアタックの予定が静岡近海で早朝マグニチュード6.5の
地震に見まわれ。更に台風接近により最悪の状況となる。
これ以上の延期は登山断念を意味する。
しかし、なぜか確信していた…絶対は行けると。

午後の天気の好転を願ってバスで5合目に向かう。
状況によっては引き返すとガイドよりアナウンスがあった。

5合目到着。天気が好転する…思った通りだ!


決行!
午後1時、42名のチームで出発する。
天気の回復とともに、これまでの不安な表情に笑顔が戻り、
これからの挑戦に皆、気持ちが高ぶっているようだ。
富士山登頂

富士山登頂

富士山登頂

20分ほど登っただろうか、視界が開け、雲と湖を足元に捉えた。
富士山登頂


登るほどに傾斜がきつくなり、酸素も薄くなる。
急速にスタミナが奪われていくのがわかる。
明らかに口数が減ってきた。

6合目に近づく。既に皆の顔から笑顔が消え疲労の色が濃くなった。
最後尾のひとりが悔しい表情を浮かべ動けなくなっている。
どうやら下山するらしい。
途中、幾度となく点呼が取られ、皆がそろった時点で登山を再開する。
ひとりの遅れは集団の遅れとなり、チームの歩調を乱す。
迷惑を掛ける前に勇気ある撤退を迫られる。
厳しい言い方だが、リスクは排除しなければならないのだ。


2度目の試練
それから程なくして、私の後ろに付いていた妻が徐々に
後方へ下がって行く。
富士山登頂
調子を見に、妻のもとへ戻る。
顔が真っ青になり、生気が無い…妻よ お前もか…
長男も異常を察知し、駆け寄ってきた。
母のザックを持ってあげるという。
頼もしい!

母のザックを息子と娘が交互に持ってくれた。
2つのザックを背負って登る娘。
富士山登頂


妻に、携帯酸素をザックから取り出し吸わせる。
顔に少し赤みが戻る。


決断
これ以上遅れると皆に迷惑を掛けるので下山の判断を聞く。
妻は疲労困憊のカラダを奮い立たせるように、唇をかみ締め、
登山を続けるという。
しかし、あまりにも先は長い。
上に行けば行くほど、下山するのも容易ではなくなる。
チームのためにも本人のためにも下山させるのは今しかない…
もう一度、妻の顔をのぞく。
決意のかたさが表情にある。
よしっ!登るぞ。
思わず神に祈る。妻に力を与えたまえ…
富士山登頂


6合目の山小屋到着
富士山登頂


3度目の試練
7合目に向かうが、チーム全体のスピードが極端に落ちている
おかげで妻はなんとかに皆に付いている。
ひと安心したのもつかの間。
今度は、次男が頭痛と吐き気で足が止まる。
酸素を吸わせている間に、最後尾になる。
この時点での下山は厳しい。
少し歩いては止まり酸素を吸う。これを繰返す。
妻を気にしつつ、次男を励ましながら重い足を進める。
また、祈る。次男に力を与えたまえ…
とにかく足を止めず、進もう。
「辛いだろうが、この試練を乗り越えろ」と激を飛ばす。
前方を見ると、チームの何人かの足が止まっている。
声を掛ける「がんばれー。もう少しだぞー」
そのころになると自然と連帯感が生まれていた。


7合目の山小屋到着
富士山登頂

富士山登頂


最終到着地8合目を目指す。
ここまで来ると何が何でもという強い気持ちになっていた。
しかし、本当の試練はここからであった。
空気はさらに薄くなり、頭がボーッとしてきた。
天気は霧から雨に急変し、疲れきったカラダから体温を奪い、
疲労は痛みに変る。
足取りはさらに遅くなり、先頭と最後尾の距離もわからない。
何を考えても、ネガティブになるので出来る限り頭を空っぽにする。


4度目の試練
8合目目前で、頼りの長男に異変。
前方で長男が足を投げ出し、叫んでいる。
足がつったらしい。
靴を脱がせ、マッサージをほどこす。
立たせて歩かそうとしたとき全身がケイレンする。
激痛で顔をゆがめる。
これ以上動かせない。
雨に打たれながら、痛みが引くのを待つしかない。
今出来ることは、祈るだけ。長男に力を与えたまえ…

なかなか上がって来ない二人を心配して、既に8合目に到着していた
山岳ガイドと長女が、助けにやって来た。
長女がザックを、そしてガイドと私で長男の脇を抱え、何とか引きずり上げて
8合目を登りきった。


ボロボロになりながら、ひとつ目の目標を何とかクリアした。
正直、疲労のあまり達成感に浸る余裕はなかった。
山小屋には風呂もなければベッドもない。
着くと同時に、押入れのような寝床にすき間無く詰められる。
何人がこの布団を使ったのだろう。肌ざわりと匂いでクリーニングなど
してないことはすぐにわかった。
しかし、そんなことはどうでもいいほど早く横になりたかった。


休むまもなく夕食のアナウンスがありハンバーグ付きのカレーライスが
質素なテーブルの上に準備された。
パサついたご飯に血色の良くないハンバーグがトッピングされている。
美味しそうに見えるから不思議である。
富士山登頂

富士山登頂

なにより嬉しかったのは、家族全員で夕食の席に着けたこと。
みんな本当によくがんばってくれた!
ひとまずホッと胸をなでおろす。


食後は3時間程の仮眠を取り、希望者のみ頂上へのアッタクする。
もちろん、ここまで来た以上チャレンジするのみ。
私たち家族からは、私と最後まで体調をキープした娘でアタックすることにした。

5度目の試練
ところが、8合目到着の安堵感で緊張の糸が切れたのだろうか、
仮眠の途中、発熱して頭痛と吐き気に襲われる。
このままだと、登頂は無理だ。
家族に気付かれないように、必死に布団に包まり大量の汗をかき、強制的に
カラダの外に熱を出す。
願いが通じたか、何とか体調を戻す。
なんという回復力。
「病は気から」←間違いない!

仮眠もままならないまま、頂上への出発の時間が来た。
いよいよである。

準備に取りかかろうとした時、アナウンスが流れる。
「強風のため、登頂を中止します。」

残念な気持ちと、もうしばらく眠れるとうい安堵感が交差する。
気持ちを切り替へ、2時間後のご来光に標準を合わせ、再び床に就く。

ご来光!
富士山登頂
朝4:30起床。ご来光を拝みに外へ出る。
防寒着を着ても寒い。
手をこすり、足踏みをし、寒さに耐えながら、
うっすらとオレンジ色に染まった雲から生まれ来る太陽を待つ。


役目を終えた精霊達も、また、ご来光とともに昇天するのだろうか。
写真に無数のオーブが写り込んだ。
富士山登頂

待ちに待ったご来光がこれだ!
ワン・ツー・スリー(ザ・ベストハウス123調で)
富士山登頂

富士山登頂

富士山登頂


ご来光を受けて記念撮影
富士山登頂

富士山登頂

富士山登頂



13日に無事に我が家に戻り、こうしてブログに記録している。
あれから1週間が経過したが、遠い昔のようにも思える。
今回の体験で何を学んだのだろう。
それは、これからの人生の折々で実証されるはずである。

最後に…
 来年必ず、登頂する!


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Posted by 比嘉徹(ひがとおる) at 15:11│Comments(4)旅行
この記事へのコメント
家族で富士登山。良いですね~!
子供たちが年齢に達したら、絶対行ってみたいです。

実は、小学校6年のときに登頂しました。

真夏というのに寒い中、みんなで励ましあいながら登るのは
すごいものがありますね・・・。

あの経験を子供たちにも感じて欲しいです。

親としての参加もまた違うでしょうね。(^^
Posted by AZAMAAZAMA at 2009年08月17日 15:22
AZAMAさん
いつもコメントありがとうございます!
随分早い時期に登頂したんですね。うらやましいです。
今回は、残念ながら山頂へはいけませんでしたが
素晴らしい経験をさせてもらいました。貴重な財産になると思います。
チャンスがあれば再度挑戦したいと思っています。
AZAMAさんも今度は子供達と登って下さい。
きっと何かが変わると思いますよ!
Posted by 比嘉徹(ひがとおる)比嘉徹(ひがとおる) at 2009年08月17日 20:30
ハイサイ!はじめましてbanbanです^^家族の絆が深まる経験をしましたね
これからの時代はそれを体験してきた方々はブラボーな時代になると思います。山勘ですが・・・(^▽^;)

素敵なブログ読ませていただきありがとうございます。^^/
Posted by banban真栄田banban真栄田 at 2009年08月18日 01:51
banbanさんコメントありがとうございます!
banbanさんにもブラボーなことがいっぱい訪れることを
願っています(^人^)
Posted by 比嘉徹(ひがとおる)比嘉徹(ひがとおる) at 2009年08月18日 11:36
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